熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以て也(暦便覧)
夏至(げし)とは、一年のうちで日中時間が一番長くなる日。日本国内はちょうど梅雨の季節でそれほど日照を感じる機会はなかなかありませんが、陽の光が梅雨の中休みにのぞくだけでも夏に向けて元気のお裾分けをもらえる気分になります。
夏至の季節には、梅雨時の紫陽花を思い出しますが、菖蒲(あやめ)別名、「ショウブ」の花咲く季節でもあります。菖蒲にそっくりの杜若(かきつばた)の違いは、土の上に咲いているのが菖蒲、湿地に生えているのが杜若だそうです。
ことわざ「いずれ菖蒲か杜若」(いずれあやめかかきつばた)は、美しいものの選択に迷う姿を意した言葉。梅雨の鬱陶しい時期に、こんな花の美しさに悩む優雅なひとときなら憂さ晴らしにもなりそうですね。
三重県伊勢 二見ヶ浦 「夏至祭」
夫婦岩の間から、夏至の日にご光臨を浴びる
古来より伊勢神宮を控えた人々が、二見ヶ浦の海岸で心身を清める御祓(みそぎ)が行われてきた場所でした。
この二見ヶ浦の沖合、700Mほどの海中に夫婦岩といわれる大きな岩がふたつ仲良く並んでいます。夫婦岩は興玉神社(おきたまじんじゃ)の日の出を遙拝する鳥居とみなされています。その男岩の大きさは高さ9M、女岩は高さ4Mで、長さ35Mの大注連縄(おおしめなわ)が5本張られています。夫婦岩の間は9Mもあるそうです。
実際に岩の間から日の出を見ることが出来るのは、4月~8月の間だそうです。6月の夏至の前後1週間は岩の中央から日の出が昇り、天気が良ければその背に霊峰富士を仰ぐことが出来、筆舌に尽くし難い感動を覚えます。
夏至祭の当日は、白装束を身にまとった参拝者が日の出前の午前3時30分より夏至祭を斎行し、続いて日の出の時刻(午前4時40分頃)に合わせて海中に入る禊行事が行われます。
ちなみに福岡県糸島市にも夫婦岩があります。三重県の二見町と町の姉妹縁組みをしており、伊勢志摩の"朝日の二見浦"に対し筑前(桜井)二見ヶ浦は"夕日の二見ヶ浦"として知られています。
【出典】二見興玉神社H.P.
「三重県の環境と森林」H.P.では、ライブカメラで二見ヶ浦の夫婦岩のライブ映像が拝めます!PCでも日の出を楽しめます。
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