人ごとでは無い、宮崎県の口蹄疫問題
知らないではすまされない、日本の食の未来
私たちは普段、何気なく口にしているもの、特にスーパーで容易く食品を手にすることができます。毒入り餃子問題以降、それがどこの生産地かを気にするようになって来ましたが、生産地偽装の問題も後を絶ちません。食糧自給率の問題でも、特に酪農、畜産は餌に使用する肥料である、とうもろこし、小麦、大豆などは海外からの輸入に大きく頼ってきました。それでも、国内の畜産農家さんは、日々、経済動物という言い方のもと、牛、豚、鶏などを飼育して来てくれます。いくら"経済的"に利用されるといえ、動物に対する愛情は人一倍に深い愛情を持って接しています。
そんなある日、自分が手塩にかけて育ててきた家畜を翌日はすべて処分しなければならないと言われた、想像すらできない苦悩と無念さが溢れてくるか、私たち都市部の人間にはただ、悲しみにしかうけとれない一面もあるかもしれません。宮崎県は全国でも和牛、豚などにおいて全国2位の出荷数をほこる酪農王国です。その畜産の出荷が大幅に市場から淘汰されることは、私たちの食卓にも大きな影響は出てくるでしょう。そして、未来の日本の食卓にも、何かしら変化がでると考えられます。
宮崎県でも前例のない「非常事態宣言」が出されています。ニュースでは宮崎県で牛舎を営む経営者のインタビューで「まるで、戦争地帯のようだ」という表現に、言葉を絶する現地の混乱と不安が目に浮かびます。私たち都市部の人間の食を支えてくれている生産者さんに何かできることを、非力ながら「のらくり」でも特集記事を組むことにしました。
ここで、もう一度、口蹄疫がどのようなものか、どのようにワクチンが処方されたかをまとめてみました。そして、この記事を読んで下さって宮崎県の現状を少しでも察してもらえたら、募金や義援金の情報一覧をまとめた記事も参照してみて下さい。
無知ほど、未来を歪めて、道を踏み外す機会を生み出してしまう恐ろしい原因は無いのではないでしょうか。
口蹄疫とはどのような病気?
口蹄疫ウイルスが原因で、偶蹄類(ぐうているい)の家畜(牛、豚、山羊、緬羊、水牛など)や野生動物(ラクダやシカなど)がかかる病気です。口蹄疫に感染すると、発熱したり、口の中や蹄(ひづめ)の付け根などに水ぶくれができたりするなどの症状がみられます。感染した死亡率は幼児期のもんは死亡することもあるそうですが、成長したものは死亡率は数%程度と言われています。
感染動物の肉や乳を摂取したら人間に口てい疫は感染する可能性はあるのか
感染動物の肉や乳を摂取しても、人に感染することはないそうです。ただ、食肉ように移動、処理作業において他の偶蹄類の動物にウィルスを伝染させない ためにも感染地域の経済動物は近隣で殺処分し埋却することが、感染拡大を最小限に防ぐための手段となっています。
口蹄疫ワクチンについて
ワクチン接種は、あくまで発症を遅らせるための効果しかなく、感染を防ぐものではありません。ワクチンを接種した経済動物は発症するまでにも
殺処分されてしまいます。苦肉の策としても、感染拡大の猛威を一時的に沈静化させる効果により、拡大を減速させその間に各処理を遂行する時間を
確保するためにワクチン接種を慣行しています。ワクチン使用を決断したことで、「最後の手段」で挑む姿勢が伺えます。
【出典】口蹄疫について知りたい方へ|農林水産省H.P.
苦しみを創造にかえて
困難にぶつかった時に、言葉では慰めを発することはできますが、実際に苦悩を乗り越えるには時間が必要になります。今回のように畜産農家さんにとっては、経済的な打撃は言うまででもありません。同じ日本国民であり、日本の食をひたむきに支えて来てくれた宮崎県の畜産農家さんを少しでも応援し続けるためにも、自分たちにできる範囲で応援したいと考えます。このような時は、無理せずに長期でも守っていけることを、おのおので実行していくことが大切だと思います。
最後にこの記事を読んで下さった読者の皆様に感謝するとともに、募金や義援金サイトのとりまとめ一覧の記事をのらくりも用意しましたので、よければわづかでも参画してみて下さい。