- 農で起業する!―脱サラ農業のススメ
- 杉山 経昌(著)
- 築地書館 (2005/02発売)
- 定価:¥1,890(税込)
元外資系通信会社の営業本部長を勤めていたサラリーマンが、長崎の田舎ではじめたぶどう園の成長とその道のりを記載したコラム。
企業経営では当たり前な収益改善施策を農業にあてはめ、全ての収益構造を数値化し、無駄や旧来の慣習を乗り越えながら、週休4日の農業スタイルを手にするまでの改善策を気さくな文体でまとめている良書。
自然を相手にする営みであれ、資材の購入方法や機材の準備などで起こりうる人為的な無駄を発見し、サラリーマン時代のデーター分析行動から予測を計画立てる姿は、農業のフィールドでは杉山氏の斬新な改革行為であっぱれな姿をかいま見れる。
サラリーマン時代のタフな環境で交渉を続けてきた杉山氏が、次第に田舎の流儀に溶け込んで行く姿など、単に利益効率の改善方法だけでなく、地域性への配慮などは、これから地方で生活しようとする者には大きく参考になる事例が記載されている。
安易な脱サラ指南書というよりは、自分の人生や時間をいかに豊かにしていくかを考えさせてくれる書籍としておすすめ。
農業界における旧き慣習の中で、革新的な考えと行動で、週休4日の作業効率を追求し実現した1農業起業家のエピソードを楽しめます。